マウスピース矯正は「痛みが少ない矯正」と言われることが多いですが、まったく痛みがないわけではありません。歯が動くためには一定の力が必要で、その際に軽い痛みや違和感を感じることがあります。
痛みは多くの場合、一時的なものであり、ほとんどの方が数日〜1週間程度で慣れていきます。痛みの感じ方には個人差がありますが、正しい知識を持って対処することで、快適に治療を続けることができます。
■どんなときに痛みを感じやすい?
◎アライナー(マウスピース)を交換した直後
新しいアライナーに交換すると、歯に新しい力が加わるため、締め付けられるような痛みを感じることがあります。これは、歯が動いているサインでもあります。
◎しばらく外していた後に再装着したとき
食事中などで長時間外していた場合、再度装着した際に違和感や痛みを感じることがあります。なるべく1日20〜22時間の装着を維持することで軽減できます。
◎アタッチメント周りの違和感
歯に付ける小さな突起(アタッチメント)が原因で、舌や唇に違和感を感じることがありますが、多くは時間とともに慣れていきます。
■痛みの程度はどれくらい?
痛みの程度は「押されているような」「軽い筋肉痛のような」感覚と表現されることが多く、生活に支障が出るほどの強い痛みはほとんどありません。
動的なワイヤー矯正のように強い力はかからないため、マウスピース矯正の痛みは全体として軽度で、比較的快適に治療を進められます。
■痛みと上手に付き合うための対策
◎新しいアライナーは寝る前に交換する
交換直後が最も痛みを感じやすいタイミングです。就寝前に交換すれば、数時間眠っている間に痛みのピークを過ぎるため、日中の不快感を軽減できます。
◎アライナーをしっかり装着する
浮きやずれがあると歯に均等に力がかからず、痛みが強く出ることがあります。チューイーを使用してフィットさせることが大切です。
◎過度に長時間外さない
装着時間が短いと、歯が動くサイクルが乱れ、再装着時に痛みが出やすくなります。規定時間の装着を守ることで痛みの軽減にもつながります。
◎痛み止めの使用(必要に応じて)
どうしても気になる場合は、市販の鎮痛薬を使用するのも一つの方法です。ただし、継続的な痛みがある場合は歯科医師にご相談ください。
■痛みを感じやすい人の特徴
- 歯の移動量が大きいケース
- アライナーの装着時間が短い方
- 歯や歯ぐきが敏感な方
- アタッチメントの数が比較的多いケース
これらはあくまで一般的な傾向であり、すべての方に当てはまるわけではありません。
■マウスピース矯正の痛みは「歯が動いている証拠」
マウスピース矯正の痛みは、ほとんどが軽度で一時的なものです。歯がしっかりと動いているサインと考え、正しい使用方法を守りながら治療を続けることが大切です。
【痛みとうまく付き合って、快適にマウスピース矯正を進めましょう】
当院では、治療前に痛みの程度や対処法について丁寧に説明し、安心して治療を進められるようサポートしています。
マウスピース矯正の痛みや治療内容について不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
